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| d駄文 |
1
単純だと言われようとも、恐れるよりも、玉砕覚悟でいいから前に進むべきだ。
考えるのは自分の領分ではない。
考えるのは彼女の役目だ。
自分の領分は、行動だ。
「変わるっつたって色々ある。成長するって、良い意味合いのものだってあるんだぜ」
「……大人になること……純真さを失っていく事が、良いことなの?」
亜季の弱々しい声に淳司は言う。「ここで話してもなんだからな……あそこに行かないか?」
彼が指差した先には公園があった。
幼い頃、彼等二人が雨の日ずぶ濡れなって、服をどろどろにして遊んだ場所。
淳司は水を吸った重い服で公園の土に脚を踏み入れる。
ねちゃり、と土が変形し、あまり心地よくない感触が靴に伝わってくる。
座ったのは雨に打たれ続ける無人のブランコ。
きいきい、とブランコは軋みをあげている。
彼女にはどのようにこの音が聞こえているのか。
「座れよ。どうせ、もうずぶ濡れなんだからよ」
淳司が言うと、そうね、と小さく亜季は返事をする。
ブランコに寄り掛かって淳司は空を見上げる。
そして意を決して彼は口を開いた。
「どうして、亜季は自分の事が嫌いなんだ?」
びくりと彼女の肩が震えたのが淳司の視界の端に収まる。
彼女は俯き、ブランコの鎖を握り締めている。
「……何もかも嫌いなのよ……裏の裏まで他人の心境を考える私、相手に傷つく言葉を言う私、人を疑って、自分を偽る私……滑稽だわ」
口調はどこまでも深く沈みこんでいる。
すると淳司は、
「はは……あはははっ!」
けたたましく笑い出したのだ。
雨の中、傘も差さず、ブランコに座っているその姿は傍目から見ればどう考えても異常者のそれだ。
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